運が悪くはないオンナ
先日採用決定の電話がかかってきて、
私の長いプー太郎生活は終わりを告げようとしている。
電話を切った後は、もうこれで面接を受けなくて済む…
と、最初に思ったぐらい、私にとって面接というものは
たまらなくイヤな儀式だった。
けれど面接は、会社によって個性があるというか
客観的に見れば面白い。
前回のすぐ辞めた会社は、折鶴を作らされたし、
すごく難しい採用試験をさせられた会社もある。
今回採用をいただいた会社の面接も、
私にはネタたっぷりの会社だった。
面接の時は、いつも充分過ぎるぐらい早く現地に
着いてしまうのだけれど、その日は珍しく
ギリギリだった。
会社の近くに到着したのが、すでに約束の10分前。
もう会社に着いていなければならない時間なので
私はかなり焦った。
おまけに会社の場所がよく分からない。
こんな事なら、面接予約の電話の時
「場所は分かりますか?」
の質問に
「インターネットで探しますので大丈夫です。」
と、頼もしい答えをするんじゃなかったと後悔していた。
その後、グーグルアースで調べたので、分かるだろうと
思ったのが甘かった。
現地に行ってみると、よく分からないのだ。
遅刻するよりはマシだ!と、私は会社に電話をして
行く道を詳しく教えてもらった。
「大丈夫です」
と答えておきながら、恥ずかしすぎる…
息を切らしながら会社に到着して、すぐに面接が始まった。
いつも思うのだけれど、私は面接官によって、かなり出来が違う。
苦手なタイプの面接官だと、声が裏返り、言葉もシドロモドロで、
トンチンカンな答えを言ってしまい、相手をイライラさせてしまう。
逆に、穏やかそうで、ゆっくり丁寧に話しを聞いてくれる面接官だと
しっかりした口調で、堂々と話せるのだ。
今回の面接官は後者のタイプの方だったので、少しホッとした。
社内にいたのが、面接官の男性1人だけだったのも
安心する要因だったのかもしれない。
エライ人が横並びに数人座っているような面接ほど
やりにくいものはない。
従業員が沢山いるのに、妙にシーンとしている会社も
かなり痛い。
私は、道を尋ねた恥ずかしさと、遅刻スレスレの到着を
ごまかすかのように、終始大きい声で、必要以上に
笑顔で質問に答えていた。
「仕事をする上で、どんな事を心がけていますか?」
「あなたはどんな職場環境をつくろうとしてきましたか?」
なんて、困る質問をかわしながら、面接は進んでいった。
「最後に、これは仕事とは関係ないのですが。」
面接官の男性は言った。
「あなたは運がいい方ですか?」
私は一瞬、答えに詰まった。
運が良ければ、今頃こんなところで面接なんて受けている
訳がないだろう。
けれど、そう言ってしまえば、身もフタもない。
バツイチで、独身で、子供もいなくて、無職で、
何ならここ十年ぐらいの私の人生を話そうか?
そうすれば、
「運がいいですか?」
なんて質問、怖くてできないぞー!!!
と言いたい気持ちをグッと押さえ
「運が良いとは思いませんが、悪い方でもないと
思います。」
と、何とかごまかした。
今思うと
「御社に合格すれば、運がいい方だと思います。」
とでも言えばよかったのだろうか…
バツイチ、独身、いよいよ四十路。
前回、老舗で失敗したので、今回選んだ会社は
新規オープンの会社です。
どんな会社か、どんな仕事か、
それはまた次の話。
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